APACのフィンテック企業は、採用ラッシュの中で、間違った候補者を採用している?

社内のセキュリティリスクと採用ミスの代償は深刻な問題

4月 19日, 2022

現在、アジア太平洋地域(APAC)のフィンテック市場が爆発的に成長しています。2026年までの年平均成長率は81%で、1780億米ドルを超えると予想されており、アジア太平洋地域は、資金力のあるフィンテック大企業やスタートアップ企業がひしめく、世界的なリーダーとなっています。1

2022年のAPAC資本市場調査によると、その成功の鍵を握るのは、シンガポールと香港の優秀な人材からなる「高スキル労働者」だというデータがあります。2

しかし、従業員の採用を急ぐ中で、企業は候補者を適切に審査し、ビジネスを従業員関連のリスクから守るために時間をかけているのでしょうか。残念ながら、かけていない場合があります。ここでは、企業が採用前に候補者についてより深く調べるべき理由と、採用プロセスにおいて候補者を理解するためのバックグラウンドチェックの方法について説明します。

 

2つの理由があります。

フィンテック市場の世界的リーダーであるAPACでは、勤勉に働くという文化やビジネスのインテグリティが最優先されます。従業員は、この業界におけるビジネスの成功に対して最終的な責任を負っていますが、一方で成長と進歩の妨げになることもあります。

従業員による窃盗や不正:世界の経済犯罪と不正に関する有名なPwC調査の2020年版のデータでは、企業におけると犯罪と不正の37%が内部犯行、つまり従業員によって行われていることが明らかになりました。さらに、犯罪や不正の20%は、内部と外部の加害者の共謀によってもたらされています。つまり、合計で57%の不正は企業内部から発生しているのです。3

その例としては、アメリカのフィンテック企業のCEOシェン・ウェン・チェンによる不正事件があります。複数の詐欺計画を立て、700万ドル以上の新型コロナウイルス感染症関連の中小企業向け融資支援を不正に取得したことにより、2021年に6年の禁固刑を言い渡されました。4

他に、ドイツのフィンテック企業ワイヤーカードの不正会計事件もあります。銀行口座にあるはずの19億ユーロがそもそも存在しなかったことが発表され、同社はついに20年以上にわたる詐欺を認めました。同社の急速な海外展開は、シンガポールやフィリピンなどアジアの支店にも波及し、その地域でも会計論争の焦点となりました。5

数百万ドルにもなる損失の一方で、内部犯行や不正によって企業は規制当局の監視下に置かれ、厳しい監視の目が向けられるとともに、高額な罰金やペナルティ、風評被害に繋がる可能性があります。これは、フィンテック企業が通常、金融・銀行業界と同様の厳しい規制の対象になっているからです。簡単に言えば、従業員の不正は、フィンテックのスタートアップ(または大企業)を足止めする可能性があるということです。

採用ミスという後悔:優秀な人材を確保しようと急ぐあまり、フィンテック企業は早合点してしまい、残念なことに、間違った人材を採用してしまうことがあります。その例としては、適切なトレーニングや経験がないアナリストを採用するなどが考えられますが、アメリカの名門大学という高学歴に詐称するCEOを採用するという例も挙げられます。あるいは、単に企業文化に「合わない」候補者を採用することもあります。

いずれにせよ、採用ミスはビジネスに悪影響を与えてしまいます。まず、採用した人材の入れ替えにかかるコストです。これには、募集広告を出す、候補者を面接する(多くは複数回)、新入社員の受け入れとトレーニングにかかる時間、費用、リソースが含まれます。これらをすべて合わせると、最終的なコストは数百万円に達します。Society for Human Resource Management (SHRM) のデータによると、新入社員1人あたりの平均採用コストは 4,425 ドル、役員1人の採用コストは 14,936 ドルです。6

しかし、この他にも「ソフトコスト」と呼ばれるものもあります。適切なトレーニング、経験、教育を受けていない従業員は、生産性を低下させ、納期や製品発売日の遅れの原因となってしまいます。また、残業したり、長時間頑張って働くことが一般的な小規模企業やスタートアップ企業では、企業文化に「合わない」人は、従業員の士気を低下させてしまう可能性もあります。

では、フィンテック企業はどのようにすればこのような失敗を避け、より多くの情報を得た上で採用の選択をすることができるのでしょうか。答えは、バックグラウンドチェックです。

 

採用する前に、候補者についてもっと知る。

大きな買い物や投資をするとき、たとえば新車の購入や新規事業への投資をするときは、事前によく調べますよね。従業員は、ビジネスを成功に導く投資のような存在であるため、雇用する前によく調べる必要があります。

バックグラウンドチェックは、候補者について重要な情報を提供します。業界に特化したバックグラウンドチェック、身分証明書チェック、職歴・学歴確認、リファレンスチェック、金融規制チェックなどを適切に組み合わせれば、3つの重要な採用目標を達成することができます。

  1. 候補者が提供した情報の確認:履歴書の不一致は、ほとんどの場合はただのミスですが、候補者が意図的に職歴を詐称していることは珍しくありません。候補者から提供された情報は必ず確認します。これには、候補者の身分証明書の確認(本人であることの確認)、職歴、学歴、学位に矛盾がないかの確認、職業上の免許や資格の確認が含まれます。
  2. 規制要件への対応:フィンテックは金融や銀行と同様の規制の対象となるため、職種によってはバックグラウンドチェックが必要です。これらのチェックでは、一般的に過去の業界犯罪や金融犯罪を調査し、候補者の職務関連資格が有効であるかを確認します。
  3. 候補者をあらゆる角度から理解:リファレンスチェック、国際メディアの評判チェック、SNSチェック、そしてその他のツールを使って、ソフトスキルを含む候補者の全体的な能力を把握し、企業に合うかどうかを判断することができます。

バックグラウンドチェックの詳しい情報や採用プロセスでの使い方については、当社までお問い合わせください。当社がサポートいたします。フィンテック業界でよく使われるバックグラウンドスクリーニング・パッケージについては、当社のフィンテックシートでご覧ください。

 

APAC Fintech Market | Size, Share, Growth | 2021 – 2027 (marketdataforecast.com)

asifma-2022-apac-capital-markets-survey.pdf

PwC’s Global Economic Crime and Fraud Survey 2020

Fintech CEO Sentenced To 6 Years In Prison For Multiple Fraud Schemes, Including $7 Million Covid-19 Pandemic Loan Fraud And Securities Fraud | USAO-SDNY | Department of Justice

Wirecard: Another Fintech Fraud – Seven Pillars Institute

Talent Acquisition Benchmarking Report (shrm.org)